昨日今年の夏はクールビズならぬ「カジュアルビズ」でと書いたところ好評を得ました。
というわけで、今日はさらにその続きを。
(今回は前回以上に思いつきに近いです。これが議論の先鞭となれば幸いです)
正しいことでもすぐに実施される訳ではないということを考えなくてはなりませんね。
今や一般的なクールビズですら当時の反発は大きいものがありました。
クールビズ導入の際にあった批判は、主に以下のものがあるようです。(wikipediaより)
- キャンペーン費用が大きいのではないか
- クールビズによる二酸化炭素削減量の計算根拠が不明
- 室温が25度から1度上がるごとに作業効率が2%ずつ低下するという試算がある
- 売り上げの減少に繋がるためネクタイ業界の反発
(一部解消したものや意味不明なものは割愛)
まず、キャンペーン費用について。
「3年間で80億円以上の予算」とあります。1年あたり30億円弱程度でしょうか。正直反発するような額ではないとは思いますが。それでも反発はあるでしょうから。
現代において、周知をする努力をしなければ、それは存在しないと同義であったりします。
優れた映画や小説があっても、存在をしらなければ、それにお金を使うことはないでしょう。
そして肝心なことは、広告の費用対効果は果てしなく計りづらいのです。
ではどうするか。
こういうときは、全体としてどのようなメリットがあるかで考えなくてはならないでしょう。
広告その1点を取って費用対効果を計るのではなく、「クールビズ導入」の結果として、「全体として効果があったかどうか」です。
そう考えれば、キャンペーン費用は、単なる必要経費でしか無く、「成功さえすれば」その経済効果ですぐに回収可能です。(そしてまったくお金をかけずに成功することは現代ではほとんどありません)
今回カジュアルビズを導入するための費用は、おそらく年間30億円も要りません。
お金をかけずとも必要性を国民が充分に理解するでしょう。
次に二酸化炭素の削減量について。
京都議定書の目標を達成するために、日本ではチームマイナス6%という旗印を掲げています。
クールビズからカジュアルビズにすることで、どれだけ削減効果があるのかは、まったく分かりません。
しかし、日本全体として、夏場の電力使用量を削減できれば、それがCO2排出量の削減に繋がるのではないかと考えます。(詳しいことは識者に譲りますが)
おそらく導入の推進要因として、削減量についても言及されるとは思いますが、少なくとも今より増えることは考えづらく、「計算根拠が不明」という理由で推進しないというのも変な話かと思いますね。
作業効率について。
これこそ計算根拠が不明なのですが(笑)
まあ暑くなれば効率が落ちるのは間違いないでしょう。
しかし、もはや「効率」云々の話ではなくなっていることは確かです。
「計画停電」で「混乱」と言ってますが、突然都内が停電する方が「遥かに混乱」します。
2006年の首都圏大規模停電を覚えている方も多いでしょう。
2006年8月14日の日本標準時午前7時38分頃に、旧江戸川を航行中のクレーン船がアームを架線に接触させ、これを切断。これにより東京23区東部と神奈川県横浜市、川崎市の一部、千葉県浦安市、市川市の一部を中心に、広い範囲で停電した。件数としては1987年7月に発生した停電の際の280万件に次ぎ、史上2番目に多く、電力量では過去4番目となったが、大手会社の多くがお盆休みとなっている時期のため、電力需要が通常より低下していた事もあり、およそ4時間42分後の12時20分には全面復旧した。このうち、神奈川県内では約10分で復旧、千葉県内でも午前8時20分ごろまでに復旧した。管内全域で、電気が通らない時間は一瞬でもあってはならないのです。
停電による信号機の停止を始め、鉄道に影響が出たほか、ビルのエレベーターに人が閉じ込められる事故が相次いだ。電力の暫定復旧後も電力供給が十分でなかったことから、交通機関では冷房の出力を弱めて運行が行われた。
携帯電話が繋がり難くなり、ひかり電話が一時不通になった。日本政府は、危機管理センターに情報連絡室を設置した。
最後に服飾業界について。
この方々が直接的に影響を受ける方でしょう。
クールビズの一般化によりネクタイはそもそも着用していないケースも目立ちます(当時の野党が頑に「ネクタイを着用していた」ことをもってしても(?)ネクタイを外さない人は多いでしょうが)
よく言われるように「ピンチはチャンス」であり、これを機会にカジュアルなネクタイを広めるべきかと思います。
とはいえ、クールビズ(ノーネクタイ)を条例化するのであれば、さすがに「残念だけど頑張れ」というわけにもいかないでしょう。
WTOとか環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が無ければ「この機会に中国を始め海外製のネクタイは輸入禁止」とか言えますが(笑)
通常の経済活動において支援するとしたら減税でしょうか。
「カジュアルネクタイ」の売り上げは減税対象とするとか。
すくなくとも、政府が無料でPRしてくることは、チャンスとなります。
日本の技術力・開発力を世界に見せる良い機会でもあるのです。
(これが世界に普及すればその効果は計り知れません)
業界も努力し、政府や自治体は支援する。
今なら2ヶ月以上の時間があります。
始めるのは早いにこしたことは無いと思いますがどうでしょうか。