ひさびさに経営のお話です。
私に影響を与えた一冊として、以前にも紹介したV字回復の経営(三枝匡)があります。
この中には珠玉の言葉が随所に出てくるのですが、その中から、不振企業の症状としてその代表例が書かれているので、ピックアップしたいと思います。
今日は、症状1より。
一般に企業の業績悪化と社内の危機感は相関しない。むしろ逆相関の関係だと言った方がいい。つまり、業績の悪い会社ほどたるんだ雰囲気であることが多く、業績のよい成長企業のほうがピリピリしている。とある。
これに思い当たる方は多いのではないでしょうか。
作中こんなエピソードが出てきます。
役員の一人が「今、会社は危機だ。しかし社内の危機感が薄すぎる」と言います。 しかし、社員たちは危機という言葉に慣れてしまい鈍感になっている。それどころか「危機感がないのはあんただろう」と心の中で言い返す者が少なくない。よく見られますよね、これに似たこと。
そしてこの書で勉強になるのはその次の「もちろん、(当役員の)発言は経営者として稚拙だった」と続き、書を通じて、危機感をあおるのは「危機感が足りないという言葉ではない」と説くのです。
この小説は経営者のみならず社会人であれば学ぶところの多い一冊です。
未読の方は、是非。