2011年1月3日月曜日

2011年を予想する

TANAKA Kohji です。
IT予想士2級のわたしが、2011年を予想してみたいと思います。(※独自資格)

1年という長期(≠短期)な予想はあまり意味をなさず、それよりも時流に合わせてフレキシブルになすべきことをアジャストしていくというのが私のスタイルではあるのですが。
それでも先々を予想するということは非常に意味のあることではあるので、あえて公表してみたいと思います。

あくまで独断と偏見です。
また、自分が興味ある分野しか予想していません。

[全体](世の中的な)Android OSの躍進

2010年は、iOS(iPhone/iPad等)が活躍した年でした。
世の中ではスマートフォン元年とか言われていますが、2010年初頭の時点で、テレビ等ではあまりスマートフォンという言葉を耳にした覚えはありません。
では、なぜその流れが変わったか。
ひとつは、iPadの登場で、もうひとつはiOS4(iPhone4)の登場でした。
DocomoやAUがスマートフォンに力を入れた製品を市場に投入できたのは、その後のことです。

iPhone4の何がすごいかというと、購入者の男女比を変えたことです。
あきらかに女性の購入者が増え(一説には男女比逆転)、スマートフォンという存在が、一気に一般化しました。
(これはiPodが世の中に受け入れられたころと似ている気がします)

しかし、DocomoとAU、およびiPhone以外のSoftbank mobileのスマートフォンはなかなかぱっとしません。
Galaxy S等非常に良い製品があるなかで、ビジネスモデルを変革できないジレンマが、どうしても目につきます。
(参考:既存のケータイビジネスとスマートフォンビジネス
AUとは違いスマートフォンに合わせたビジネスをしているDocomoも、i-modeからの脱却はなかなか進まないでしょう。(spモードは単なる一里塚。本当の戦いは、i-modeで収益を上げている事業者に、同様の収益を「プラットフォームとして」提供できるかどうか、で決まるはずです。逆に言えば、i-modeでさんざん莫大な収益を上げたその市場を、スマートフォンで作り出せれば、iOS製品を一気に抜き去ることは可能です。)

そして。そのi-modeからの脱却の困難さが、Docomo製のスマートフォンの爆発を阻害していると見ています。

しかし、しかし、しかし、それでもAndroidは躍進するでしょう。
今までDocomoでスマートフォンを持ちたくても持てなかった層が、一気に流れると思います。日本製品の良さもそれなりに発揮されると思いますし。
2011年に限れば、Androidが世間を賑わすと見ています。

なお、Android がその次のステージへ行くためには、OSに磨きがかかり、使い勝手という目に見えない指標で、iOSに追いついたときがスタートでしょう。
スマートフォンに慣れた人たちが、次に手にするのはAndroidなのか、それともSIMフリーのiPhoneなのか。
個人的には、SIMフリーなiPhoneだろうと見ています。

[全体]スマートフォンアプリ市場の更なる需要増

さて、そんな状況の中、スマートフォンアプリ市場が増々活性化するのは間違いないでしょう。
「すでに活性化しているじゃないか」と言う人もいると思いますが、わたしは「さらに」と言っているのです。
要因はいくつかあるのですが端折らせてもらい、具体的にどのようになるかというと。

今やWebサイトを持っていない企業というのは少なくなりました。
同じように、会社や自社サービスを代表するアプリを出したいと考える企業が増えてくるだろうと。
つまり、「時期を計って」いた企業が、こぞって手を出し始めるとみているのです。
一時期、ケータイサイトを製作する需要が増えたことがありますが、同じようになるでしょう。

[PHP]フレームワークによる開発の更なる需要増

局所的な話題も(笑)
PHPというプログラミング言語があります。
間違いなくPHP製のwebサイトは一番数が多いのですが、近年Ruby on Rails というフレームワークがきっかけとなり、PHP界隈でもフレームワークが多用されるようになりました。
わたしが開発する案件は、ここ2年以上CakePHPというフレームワークのみです。

そして、2011年は大きな発展の年となるでしょう。
まず、既存のフレームワークであるCakePHPとSymfonyの次期バージョンがリリースされます。CakePHP2.0のRC版(安定版候補)が、Symfony2の安定版がリリースされることでしょう。
それぞれを利用している人が、続々と乗り換えることが予想されます。

また、Lithium というCakePHPを元にした次世代フレームワークも正式版のリリースがあります。
クラウドやVPSが普及してきた今、一番使い勝手の良いフレームワークとなるのは、時代を先取りしたLithiumである可能性もありますね。

そんななか、Webアプリケーションの作成を考えたときに、フレームワークを使用するという条件があたりまえになることでしょう。
というわけで、フレームワークを使いこなしていることが、開発者としての重要なウリとなるのです。

[開発]JavaScriptが次のステージへ

最後は、JavaScriptについて。
本格的にステップアップするのは来年以降かもしれませんが、あまりに近い未来だけを予想してもしようがないので、大外れも込みで予想します。

JavaScriptといえば、Webサイトに何らかの動きを付加するものでした。

しかし、近年、ふたつのあらたな方向性が見えてきました。

ひとつが、HTML5とともにJavaScriptの機能が強化されていることです。
スマートフォンの台頭が後押ししていると思うのですが、JavaScriptのみを使い、(クライアントサイドで)アプリ化することができるようになりました。

もうひとつは、サーバーサイド等、従来無かったシーンでの活用です。
Node.jsのようなサーバーサイドでJavaScriptを使用するという考え方がでてきたことと、Titanium Mobile のように、JavaScript で他言語アプリを開発するという考え方がでてきたことです。(一般化してきたという意味です)

おそらく、言語的な発展の速度は、他言語の比では無いでしょう。
Google V8 JavaScript Engine というGoogle製のプロダクトが後押ししていると思うのですが、JavaScriptの最大の欠点が解消されつつあります。

殊勝な書き出しで始まった割りには大胆に言い切りたいと思いますが、今後は、JavaScriptが中心になっていくことでしょう。
Web系の技術者は、皆、JavaScriptの仕様的理解度を深めておく必要があります。
それが次世代を生き抜く武器となるのです。



というわけで、予想は以上です。
一歩先を見据えることにはあまり興味は無く、常に半歩先のみを見ている私の予想なので、人によってはあまり目新しさが無いかもしれません。
逆に、あまりこの世界の動きをリアルタイムに得ることができない方にとっては、「ふーん、そんなものか」程度に理解しておくだけで、経営判断の指針のひとつにはなるでしょう。

イノベーターやアーリーアダプターから、アーリーマジョリティが使い始める中間位を予想することが重要です。
慎重なアーリーマジョリティ層がどの方向に動くかを見極めることは難しいのですが、あえてそれらを予想してみました。

そしてこれこそが、私のIT予想士としての存在価値だと思っています。
(外れることも多々ありますけど ^^; )
このエントリーをはてなブックマークに追加

Facebookへの「いいね!」ありがとうございます