2010年11月3日水曜日

メールのデータはどこにある?

TANAKA Kohji です。
何回かにわたってGoogle Apps について説明してきました。

Google Apps によるメールの特徴の一つに、自宅でも会社でも外出先でも環境を同期できるという利点があります。
これはメールソフトをWeb上で利用するからということだけではないのです。

専門的には、メールの(データの管理の)形式として、IMAP というものと POP という形式があります。

これは、貴方のメールのデータがどこにあるかと考えるとイメージしやすいです。

誰かからのメールが送信されると、バケツリレーのように複数のサーバーを経由してメールが渡り、最終的に貴方の利用するメールサーバーに一旦入ります。
※メールサーバーはメールのサービスを提供しているところのコンピューターと考えれば分かりやすいでしょう。プロバイダからメールアドレスを提供されている場合はプロバイダのサーバーということになります。

一般的なPOPという形式の場合、貴方のPCがメールサーバーに貯まったメールを取得するとき(など)に、メールのデータを消します。
そのため、貴方のPCのみにメールのデータが残ります。

他方、IMAPという(Google Apps等が利用している)形式の場合、貴方のPCは、メールサーバーのメールデータを削除することは無く、すべてのメールはメールサーバーの中で管理されます。

それは、各メールを読んだかどうかや、どのフォルダに入れて分類したかも含みます。
(これがiPhone等のモバイル環境でも同期できるゆえんです)

これによってユーザーにはどのような利点があるかというと、上述した環境が同期するということに加え、たとえパソコンがクラッシュしてもメールデータを移行する必要が無い等のメリットがあります。

以前、メールデータの移行を頼まれ、作業したことがありますが、メールソフトによって作業が違って大変苦労したことが思い出されます。

iPhoneの普及によってパソコンをWindowsからMacへ変えている方も増えてきました。
そんな場合でも必要な作業は、メールアカウントの設定のみです。データを移行すること無く、旧PCで受信したメールを新PCで閲覧することが可能です。
(Gmailをクライアントとして利用する場合は、メールアカウントの設定すら必要ありませんね)


IMAP形式のデメリットとしては、メールサーバーにすべてのメールを保存し続けるため、サーバーの容量が必要ということです。
一般的にPOP形式であれば数MBあれば充分ですが、IMAPの場合はひとによっては数GB(1,000倍〜5,000倍以上)必要になるでしょう。

そこで一般的なプロバイダでIMAP形式をサポートするところは限られていますし、メールサーバーを無料で提供するGoogleの特異さが際立ちます。

特にビジネスにおいて、メールデータは、ビジネスや人脈のデータベースと言えます。
ビジネスにリスク管理は重要ですが、突然のパソコンのクラッシュに備えることも、社会人としてのリスク管理です。
もっといえば。
メールデータの入ったノートPCが紛失・不正利用されたときを考えると、メールアカウントのパスワードを変更するだけでデータ流出を防げるというのは、リスクヘッジ手段としても優秀です。


というわけで、できるビジネスマンはIMAP形式でメールを管理するべきですね!(笑)
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