TANAKA Kohji です。
みくちゃんとアメンボ #1
みくちゃんとアメンボ #2
みくちゃんとアメンボちゃんは、友達がたくさんいます。
どちらも交換日記が人気ですが、ふたりのやってることが違うのです。
そんなとき、ふたりの転校生が来ました。外国から。
そのひとりが、後に小鳥の飼育係になる子。バーディ君。
バーディ君はとてもフランクだった。
友達付き合いもゆるい。
「友達になってね」「いいよ」は要らない。
そして交換日記も、もっとライトな感じ。
休み時間でもいつでも書けるように、小さな便せんだけにした。
それに思ってることを、ちょこっと書くだけ。
読むのも簡単で、読みたい人が読むだけ。
そんな新しい交換日記。交換しないから、交換日記でもないけど。
「読んだよ」とか「面白いね」とかも、自分の便せんに書けば良いんだ。
他の人の文章を「面白い」といって他の人に紹介することもできるようになった。
これで新しい友達が増えていくから面白い。
ただ、友達関係になる訳じゃないから、面白い日記を書く人は、たくさんの人に読まれることになる。たくさんの人に読まれてるからといって、たくさんの人と友達関係になる必要はない。
だから、みくちゃんやアメンボちゃんのように、友達の輪の中心の人が書く日記は、他のクラスの人も含めて多くの人が読んでる。
そして、他のクラスの人気者のお友達の日記を見つけるのも簡単になったし、読むこともできる。
長い日記を書くのが苦手な子も、便せんに書く程度ならってことで、これまで交換日記をやらなかったお友達もはじめるようになった。
そしてこの、ライトな輪が広がっていったんだ。
バーディ君はものすごく有名になった。
じっさい、長い日記を書くことを止める子もいたみたいだし。だって簡単だったから、こっちのほうが。
もしかしたらみくちゃんがやっていた「友達になろう」「いいよ」というルールが嫌になっちゃた子が多かったのかもしれないね。
友達にしか日記を見られないというのは良いんだけど、アメンボちゃんの交換日記みたいに、いろんな人に見せるような、そういうほうが好きなお友達も増えてきたのかもしれない。
このライトな日記は、みくちゃんもアメンボちゃんも真似をすることになった。
でもあまり広まらなかったかも。
バーディ君のがあったからね。
同じことをしても仕方が無かったんだ。
あと、もしかしたら、そうじゃなくて、そのライトな関係性の方が、クラスの皆は求めていたのかもしれない。
そんなバーディ君が、今は一番人気に見える。
そして、もうひとりの転校生。
青い目をした男の子。
サッカーとハンバーグが好きな男の子。
バーグ君。
この子は、みくちゃんと似ていた。
だから最初は人気が無かったんだ。
というわけで次回はバーグ君のお話をするね。
みくちゃんとアメンボ #4