TANAKA Kohji です。
みくちゃんとアメンボ #1
みくちゃんとアメンボ #2
みくちゃんとアメンボ #3
みくちゃんとアメンボ #4
当初、この学年の子らは、2学年下の、まきちゃんのことを知らなかった。
いや、知らなかったというのは正確じゃないか。
あまり、気にしていなかったというか。
気づいたら、人気者だったという感じ。
というのも。
ケータイを使って遊ぼうという子が、みくちゃんやアメンボちゃんの学年ではあまりいなかったんだ。
まきちゃんは、ケータイでゲームをしようということで、お友達を作っていった。
「たくさんのゲームが無料で遊べるよ」ってことで、すぐに広まっていった。
上の学年の子の認識はそんなものだった。
でも、違ったんだ。
まきちゃんのやってることも、実はお友達作りだった。
みくちゃんやアメンボちゃんが交換日記を中心にお友達を作っていったのに対し、まきちゃんはゲームだった。
自分をゲームの中のキャラクターにして、キャラクター同士が交流するという、現実とゲームの間くらいの遊びが流行った。
ゲームの中でお友達の家に遊びにいったりする。
自分の部屋も自由に作れるんだ。
最初にお小遣いをもらって、それでその世界の家具とか洋服とかを買う。
部屋や自分をキレイに着飾って、そしてお友達を増やしていく。
なかには、最初に貰うお小遣いでは足りないから、本当のおかねで買うという子もいた。それもひとりやふたりじゃない。
実はまきちゃんにはおかねがたくさん入った。
まきちゃんの提示する遊びでどんどんお友達が増えていって、その世界にはまっていった。
そうして多くの子が、本当のおかねを払っていったんだ。まきちゃんに。
ここが、みくちゃんやアメンボちゃんと違うところだった。
もちろん、バーディ君やバーグ君とも違うところだった。
みくちゃんやアメンボちゃんはケータイが、その学年の子の必須アイテムだと知ってるから、ケータイでも交換日記をできるようにした。
だからそこそこ人気もあった。
それでも、まきちゃんのようには、たくさんのおかねを集めることはなかったんだ。
ここで3人の関係を整理すると。
みくちゃんは、お友達作り自体を目的として、友達の輪を広げていった。交換日記はあくまでお友達と繋がるための手段という感じ。
アメンボちゃんは、まず、交換日記をしようということを言った。そして、それを使ってお友達作りもできるよということで広まっていったんだ。
どちらかというとアメンボちゃん方式のほうが自然かもしれない。
お友達作り自体を目的にすると、日記を書かなくなっちゃう子がいても不思議じゃないよね。
あと、濃厚な人間関係に疲れたというのもあるかもしれない。
それに対し、まきちゃんの学年は。
お友達作りの目的もあるし、ゲーム自体が楽しいということもある。
流行るべくして流行ったといっても、決して言い過ぎじゃない。
ただ、このお話の中心である、みくちゃんとアメンボちゃんの学年とは、あまり交わることが無いみたい。使ってる子はそれほど多くないし、多くないから使い始めようというきっかけもなかなかない。
というわけで、いよいよお話は大詰めです。
みくちゃんとアメンボちゃんとバーディ君とバーグ君、それぞれどんな関係性があって、これからどうなりそうなのか。
ここからは個人的な意見として書いていくつもり。
ではでは。