2010年12月17日金曜日

どM化する大手企業の社員

TANAKA Kohji です。
というわけで、昨日の記事に引き続き、中小企業こそIT化が推進しやすいというお話です。

大手企業が行う、社員に対する制限は、エスカレートする一方です。
銀行を始めとする金融機関は言うに及ばず、インターネット系の企業でも急成長しているところはその傾向にあります。
それ以外の業種でも、過剰な規制はきつくなっていくばかり。

「以前規制されていた○○ができるようになった」という話は寡聞にして知らない。
あるのでしょうが。

さて世の中の状況を端的に表し、それに対する考え方も近しいのが、堀江社長のこの記事。
(あまりに過不足無い記事なため、かなり長めに引用してしまいました。)

企業の情報漏えい対策がクソな件について
私が数日前に手帳のエントリーを書いたら、今は大手企業(特に個人情報を扱う会社)ほど情報漏えい対策でデジタルデバイスの持込が制限されているので、デジタル機器でのスケジュール管理やらメモなどはできないというコメントが書き込まれていた。
たしかに私がライブドア社長時代は個人のパソコンは持ち込み自由でデータの持ち出し制限も個人のモラルに任せていて実際に会社の内部資料が検察庁などに漏洩していたようである。楽天のように個人のパソコンは絶対に持ち込ませない、会社のパソコンも外に持ち出せないとうくらいの対策をしていれば、検察庁がライブドア社に踏み込むことは出来なかったかもしれない。
ただ、これは私の個人的な思想信条の問題であり、何のためにデジタル機器が存在するのか、という問題に行き着くわけだ。データの漏洩を恐れるが余り、一律にデジタル機器の持ち込みを制限したりするのは不自由である。不自由すぎる。
(中略)
いくらデジタル機器の持ち込みを制限しようが、私はデータの持ち出しは技術的には可能だと思う。いくらでもセキュリティホールはあるからだ。特に人的なセキュリティホールは不正を働くものにとっては利用しやすい。本来ならば、もっと法整備をしてデータを盗む、あるいは不正利用するものを厳しく取り締まるのがスジだろう
また、モラルを教育し、例えばパスワードを付箋でモニターの横に貼り付けたり、メモ帳に書いたりするようなアホな行為をやらないようにすべきだろう。
コンプラ・コンプラといって、司法関係者の企業における利権が拡大しつつある状況は憂慮すべきものがある。それが革新的な技術の拡がりを阻害しているとしたら、由々しき問題であると私は思うのだ。
だから、もうあんまり大きな会社を作らずに、情報漏えい対策とかしなくてもいいような仕事のあり方を私は今模索しているところだ。ITの会社の会議室でiPhoneが使えないってありえなくね?って思わない?
 ※太字はわたし

さて、これを読んでどう思うだろうか?
大手企業の人ほどこう思うようだ。
「デジタル機器の持ち込み自由/データの持ち出し自由ってどんだけゆるいんだよ」と。

もはやあるべき論で語ることを放棄し、その制限の前提で話を進めようとするのです。

本来会社の所有物であるデータを外部に漏らす社員を制限しようとする経営者の考えは分からないではない。
なぜなら、上記の記事にあるようなモラル教育の苦労と比べたら、規制をする方が圧倒的に楽だから。

良く言われるのは。
蚤は高さの低い箱に入れてしばらくおいてから箱から出ても、箱の高さよりも高く飛べなくなるとか、小さい頃から木の杭に繋がれた子牛は、成長してもその杭を抜こうとしないとか言います。

デジタル機器の持ち込みを制限する、インストール可能なソフトを制限する、閲覧可能なウェブサイトを制限する等々、規制は枚挙にいとまがありません。
Google系の各種サービスを利用するなんて、もってのほかだそうです。
そこまでいくと中国との差が分かりません。


私がもっとも不思議なのは、そういった規制を甘んじて受け入れるかどうかではなく、それ自体を「当然のことだ」と思っている人たちがいるということです。(もちろん口に出している訳ではなく、態度に出ているということです)

であれば結論はひとつです。
そういった規制をかけない会社の方が伸びていくことでしょう。

日本の企業の競争力が、アメリカを始めとする各国と比べていまいちなのは、こういうところに現れているような気がしてなりません。

疑問を感じながら仕事をしている方も多いでしょう。
今まさにそういった規制と戦っている方も多いと思います。
しかし、少なくとも今すぐに、それらが転換されるようなことは無さそうです。

というわけでチャンスだと思うのです。
中堅/中小企業こそ。いや、ITを活用している企業こそ。
今なら。どMな社員がまだまだいます。
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