2010年10月1日金曜日

ガラパゴスケータイとインターネットエクスプローラー

TANAKA Kohji です。

日本の携帯電話は、ガラパゴスケータイと揶揄されるようになってからしばらく経ち、今やテレビでも普通に使われる言葉となりました。
もともとはあるブログで使われたガラパゴスというフレーズが、スマートフォンの台頭と重なり、従来型機種を総称する言われ方として浸透しています。

さて、独自の進化を遂げたという意味でガラパゴス諸島の生物と日本の携帯電話は近しいわけですが、日本の携帯電話は、相当程度先端を走っていたわけです。数年前の話ですが。

簡易的とはいえ、携帯電話でインターネットができるというのは、産業の発展に大きく寄与しました。
その後もカメラ付を携帯電話の標準にしたりと、日本の携帯電話が与えたインパクトは、世界的にも相当なものでしょう。

しかし。
もしかしたら、ちょっと成功しすぎたのかもしれません。
周辺ビジネスが成長しすぎた故に、技術革新ともいえるスマートフォンの波には、日本の携帯電話は完全に乗り遅れました。
今になって、後ろから追いかけようとしても、すでに海外の携帯電話は数年先を走っています。

一方で。
インターネットブラウザの世界も同じことがいえるのかもしれません。
私たちの業界では、インターネットエクスプローラーは嫌われ者です。
なぜか。
本来するべき表示ができないからです。
もしあなたがインターネットエクスプローラーを使っているのであれば、そこで見ているサイトの多くは、インターネットエクスプローラーのために、特別に仕立て上げたものといえます。

W3Cという世界的な決まりを作る機関があるのですが、そこで定められた規則をいくつも破っているのがインターネットエクスプローラーです。

しかし、今日のインターネットは、インターネットエクスプローラーによって進化した歴史といっても決して過言ではありません。
インターネットエクスプローラーがなければこれほどインターネットは身近にはなっていなかったかもしれません。
それくらい、インターネットエクスプローラーの果たした役割は大きいと思います。

そして今。
インターネットエクスプローラーは、普及しすぎてしまいました。
普及しすぎているが故、今日普及するべき、正しい表示が行えるソフトが、なかなか広まらないのです。

これではいつまでたっても、特別な仕立てをやめられません。作り手は。
もしかすると、あと数年、今使っているブラウザが世に残り続けるでしょう。
それなら今と同じなのか、今後も?

そしてここでも登場するのがスマートフォンなのです。
携帯電話はパソコンよりも商品サイクルが短いこともあり、比較的容易に最新のソフトを普及させることが可能です。
スマートフォンに搭載されているブラウザはどれも、インターネットエクスプローラー等の伝統あるPC用ブラウザよりも「高性能」なのです。
あの小さい端末で。


一時代を築いた日本の携帯電話とインターネットエクスプローラーですが、その役割は徐々に終わりを迎えつつあります。
今は、その貢献に感謝しつつも、次の世代への切り替えをするときだと思います。

もし切り替えがまだの方はそろそろいかがですか?
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