まずは、こちらの記事をご覧ください。
電子マネーの発行主になる意味 その1:退蔵益についてこれはレピカというプリペイドカードをASPで提供し、店舗は安価に利用できるというサービスを提供する会社のCFO加嶋氏のブログ。
電子マネーの発行主になることによってそれ以上に大きなメリットを得られるからです。
具体的に得られるメリットは以下の3つ。
1.退蔵益の発生
2.前受金による資金繰り改善と運用益発生
3.客単価アップ、再来店率アップ
電子マネーについて、その店舗から見たメリットが非常に良く分かるので、まずはその退蔵益という概念を踏まえたうえで、その先の話を書きたいと思います。
もちろん、わたしは、ユーザー視点の話。
(なので元記事とは立場が異なりますけど)
昔話をすると。
私が学生時代にアルバイトしていたファストフードのお店では、当時ちょうど、プリペイドカードを導入しました。
その導入にあたり、(店舗側の)メリットとして「活用されないお金が7%になる」というのがありました。
この7%という数字ははっきり覚えています。
(ただし上述の電子マネーの退蔵益の率とは違うと思います。20年前の話です)
結局今ではそのカード無くなってしまいましたが。
それでも、お店にとってのメリットが、いかに大きいかということが分かりますよね。
その他上述の記事にあるように、PRやCSR等としても活用できますし。
さてさて。本題。ユーザー視点では。
電子マネーの導入は、まだまだ進んでいるとはいい難い状況です。
携帯電話+電子マネーということで、一時導入率が急増したと思いますが、それもスマートフォンになってやや小休止な印象です。
わたしもまだ電子マネーは利用していません。
便利さは理解しているのですが。
何故か。
不便さも残っているからです。
ずっと以前に電子手帳とよばれるツールがありました。
その後PDAと呼ばれるZaurus等のツールも生まれました。
そこでもっとも使われたのは「スケジュール管理」だったのではないかと思います。
しかし、それらは、いまいち浸透することがありませんでした。
そしてiPhoneが登場し、今ではスケジュール管理を「手帳以外のもの」で行っているという方は多いでしょう。
電子手帳時代と今で、何が変わったのか。
それは、「データの一元管理」です。
PCで入力した予定をiPhoneで確認し、外出先でiPadで入力すると、iPhoneでもPCでも見られる。
つまり、データが同期されていることが重要な訳です。
ひとは可能な限り楽をしたいのです。会社に戻らないと予定が確認できないというのでは、スケジュール管理できているとはいえませんよね。同じように、会社の予定は会社のPCに、自分の個人的な予定は電子手帳に、では、使われないのです。
そして徐々に変わってきました。便利になっても手帳を使い続ける方もいるとは思いますが、それでもこれから増えていくでしょう。手帳を手放す人が。
では、電子マネーはどうか。
まず、銀行口座がばらばらです。
一元管理するサービスはあるものの浸透してはいません。
結果、すべての口座を把握する必要があるのです。
いますか?すべての口座を把握している方。
会社のお金ならともかく、個人のお金を、1円10円の単位で、A銀行にいくら、B銀行にいくら、財布のなかにいくらと把握するのは困難です。
結果として、自分の預金であるにもかかわらず、各口座に使われないお金が存在するのです。
そして電子マネーです。
nanacoだEdyだWAONだSuicaだと、いくらカードがあるんでしょうか。
そして、それらすべてに、退蔵益が存在するのです。
ユーザー視点でいえば、それぞれに退蔵益があるうちは、電子マネーの普及はあり得ません。
今は過渡期です。各社にとって旨味は大きいです。わたしが現金を扱う店舗を経営していれば、いち早く電子マネーやプリペイドカード対応するでしょう。
しかし、電子マネーが一般化するためには、デファクトスタンダードができるか、もしくは、規格がオープン化し、退蔵益の合計が極小化する必要があります。
想像してください。
毎日財布を5つ持たなければならない生活を。
それぞれにいくら入っているかを管理し、資金の移動もできない(もしくは手数料がかかる)
そんなの嫌です(笑)
10年後、不便さから解放された、オープンな電子マネーが普及していることを祈るばかりです。